当協会が受託した調査事業の内容が、一般財団法人東京水産振興会「水産振興第632号(第56巻第1号)」に掲載されました。
近年、日本の食とかかわりの深いニホンウナギ、クロマグロなど資源の状況が悪化している魚や、サンマ、スルメイカ、サケなど普段の食卓にかかせない魚でありながら漁獲状況が安定せず価格が高騰しているものがあり、またサワラのように、これまで漁獲・利用されてきた西日本の主要産地ではピーク時に比べて漁獲量が減少した一方で、あまりなじみのない東北など北の海域で大量に漁獲されるなど、魚種により漁獲状況に変化が起きています。同じ日本国内でも、食文化は多様であり、利用習慣がない地域では、大量に漁獲されても有効に利用・消費できないこともあります。多くの魚種で資源状況が低迷する中、貴重な海の幸の有効利用が望まれます。
このような日本沿岸における漁獲状況の変化は、地球温暖化問題とともに論じられることもありますが、その実態は必ずしも明らかではありません。一般財団法人東京水産振興会は、水産資源の無駄のない活用方策検討のための基礎データとするため、日本沿岸の漁獲状況変化の実態に関する調査を2019、2020年度の2カ年にわたり実施しました。2カ年の調査成果はそれぞれ報告書に取りまとめ、東京水産振興会が運営するウェブサイト「水産振興ONLINE」内の「資料館」において、事業報告書「沿岸漁業対象種の漁獲変化に関する調査研究—2019年度・2020年度とりまとめ—」として、漁獲データ(エクセル)とともにPDFで公開されています。本稿は、それら報告書の内容を抜粋・要約したものです。
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