海洋水産技術協議会ワークショップ
「ブルーカーボンとカーボンクレジット-課題と展望」
開催趣旨
海藻や海草の炭素固定によるブルーカーボンは、さまざまな社会経済活動からのCO2排出をオフセット(埋め合わせ)する役割が期待されている。その機能の拡大・活用には、既存の藻場の維持や積極的な造成だけでなく、カーボンクレジット(温室効果ガスの排出権取引の仕組み)を通じた経済活動への組込みが重要になる。今回のワークショップでは、海洋水産技術協議会の温暖化対応をめぐる協議の一環として、ブルーカーボンに関する技術開発や、カーボンクレジット制度の現状を理解し、今後の水産業への効果的な組込みについて議論を深めたい。
ワークショップの概要
- 日時:2023年2月17日(金)14:30~17:00
- 場所:東京都中央区豊海町豊海センタービル2F(一財)東京水産振興会会議室
- 開催形式:対面+オンライン(Zoom)
- *新型コロナの状況により全面オンラインとする場合があります。
- プログラム:
- 1.開会挨拶/趣旨説明 長谷成人(海洋水産技術協議会議長/東京水産振興会理事)
- 2.講演 司会・和田時夫(海洋水産技術協議会顧問/漁業情報サービスセンター会長)
- (1)ブルーカーボン生態系に基づく新たな水産業の展開
- 堀 正和氏(水産研究・教育機構水産資源研究所
- 社会生態系システム部沿岸生態系暖流域グループ長)
- (2)ブルーカーボン:カーボンオフセットにおける役割と貢献
- 桑江朝比呂氏(ジャパンブルーエコノミー技術研究組合理事長)
- 3.意見交換
- 主要論点:漁業・養殖業への経済活動としてブルーカーボンの組込/藻場・干潟の維持 などの漁場保全活動との連携/洋上風力発電などの他の海洋産業との連携 /カーボンニュートラルの取組における市民や地域社会との連携など
- 4.閉会挨拶 川口恭一(海洋水産技術協議会顧問/全国水産技術協会会長)
講師紹介
堀 正和氏
国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所社会・生態系システム部沿岸生態系暖流域グループ長、東京海洋大学大学院海洋生命資源科学専攻・応用生命科学専攻客員教授。
2003年北海道大学大学院水産科学研究科博士後期課程修了。博士(水産科学)。
専門は海洋生態学。沿岸浅海域の藻場を中心にブルーカーボンや生物多様性、気候変動対策等に関する研究を展開。水産分野における関連の政策対応、社会実装等の応用分野まで幅広く対応。ジャパンブルーエコノミー技術研究組合顧問としてカーボンの社会実装にも参画。近著に、「ブルーカーボン:浅海における
CO2隔離・貯留とその活用」(2017、桑江氏と共著)など。
桑江 朝比呂氏
ジャパンブルーエコノミー技術研究組合理事長、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所沿岸環境研究領域長。
1995年京都大学大学院農学研究科修了。博士(農学)。
専門はブルーカーボンに関する科学、政策、実践に加え、沿岸生態系、環境工学、気候変動
対策,環境価値の定量化など。わが国におけるブルーカーボンの先駆者として、2020年に国土交通大臣の認可によりジャパンブルーエコノミー技術研究組合を設立、理事長としてブルーカーボンの普及とクレジット化を牽引中。近著に、"Blue
Carbon in Shallow Coastal Ecosystems"(2019、堀氏と共著)など。
ワークショップ開催報告
ワークショップ開催結果の報告及びワークショップ当日の講演資料を以下に掲載します。
・「ブルーカーボンとカーボンクレジット―課題と展望」開催報告