海洋水産技術協議会
海洋水産技術協議会の設立について
水産業現場関係者で構成される民間団体や水産業の現場で直接活動している海洋水産関係の民間団体は、施策の対象である関係者を取りまとめ、代表する役割を担っており、特に海洋、水産についての現場認識や技術的側面において重要な役割を果たしています。
一方、我が国の産業政策は、民間と政府が共同して政策を作るようになってきており、政策等の内容や実施者によっては、海洋水産関係民間団体が一体となって取りまとめて提言した方がその実現には効果的です。
更に、海水温の上昇など大きな環境変化の中、社会的関心も高まっており施策の技術的確実性を高める必要があります。
このような状況に鑑み、海洋、水産生物、工学、土木等の技術分野に係る海洋水産関係の民間団体が一体となって「海洋水産技術協議会」(法人格を有しない任意組織)を設立しました。試験研究機関等との連携強化を図り、調査研究、技術開発成果の現場導入の促進を図るとともに、試験研究機関等への調査研究、技術開発課題の提言や行政庁への提言等積極的に行うため、各団体が相互に情報交換、意見交換等を行う仕組み(協議組織)です。
洋上風力発電施設の建設に伴う漁業影響調査のあり方についての検討
海洋水産技術協議会は、2022年6月に「洋上風力発電施設の漁業影響調査実施のために」をとりまとめました。これは、洋上風力発電施設の建設に伴う漁業への影響を把握するために必要な調査や調査実施のための体制等について、現時点の考えをまとめたものです。今後の漁業影響調査の「指針」として活用され、洋上風力発電と漁業の共存・共栄に貢献できれば幸いです。
温暖化影響緩和のための現場適応技術の検討
地球温暖化の進行によりわが国水産業への様々な影響が顕在化するなか、水産分野においても2050年カーボンニュートラルへ向けた取組が求められ、その一環として、海藻・海草によるブルーカーボンのカーボンオフセットへの活用や、そのための藻場・干潟の保全・拡大や漁業・養殖業のあり方に関心が集まっています。
海洋水産技術協議会では、水産分野として主体的に対応が可能な「温暖化への適応と影響緩和」、「ブルーカーボンによるカーボンオフセット」を軸に、今後の技術開発や技術の現場実装の促進を目指して、関連の取組の現状分析と課題の整理、ワークショップ等を通じた問題意識の共有化と情報ネットワークの構築を進めています。