全国水産技術協会

会長挨拶

 水産物の安定供給および水産業の健全な発展のために科学技術的な側面からの貢献がきわめて重要です。このため、独立行政法人水産総合研究センター(現、国立研究開発法人 水産研究・教育機構)をはじめ都道府県や民間の水産試験研究機関等において、多くの調査研究関係者が連携して研究開発が進められてきているところです。
 これらの機関に長年在職し、水産に関する調査、試験研究、技術開発等の業務に従事した経験を有する者は、その業務を通じて培った多くの科学的知識、技術、経験等を有しています。そして、それぞれ全国各地において培ったものを生かして水産に関する技術的業務に従事することがある一方、これらを十分に生かし切れていないこともあります。
 そこで、このような者の組織化を図り、水産に関する知識、技術、経験等の体系化、総合化によって、社会への還元を積極的、かつ、円滑に行い得るようにするためのシステムを整備し、もって、水産の技術の発展に寄与することを目的として平成20年に「一般社団法人全国水産技術者協会」を設立したところです。
 この度、今まで培ってきた海洋や水産に関する調査及び研究開発の推進に関するノウハウを活かし、新たな研究開発分野への取り組みや法人会員の参画など事業の充実強化を図ることといたしました。令和2年6月29日の通常総会において「一般社団法人全国水産技術協会」に名称を変更するとともに、水産の振興を図ること等を目的とする法人会員を迎えるための仕組みを整えたところです。
 このように水産に関するいかなる技術的要請にも的確に対応できる体制を整え、既存の水産 試験研究機関と連携しつつ、一層、積極的な事業の展開を図ってまいります。

一般社団法人全国水産技術協会
会長 川口 恭一